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掲載日:2023.08.18
新築住宅についての住宅借入金等特別控除について
 一般の新築住宅(認定住宅等に該当しない住宅を新築等した場合の新築住宅をいいます。)については、原則として、居住年が令和5年分までの場合に住宅借入金等特別控除の対象となります。ただし、一定の要件をみたす場合には居住年が令和7年分まで対象となる場合があります。一般の新築住宅についての住宅借入金等特別控除を中心に解説します。

(1)概要
個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得または増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、令和4年1月1日から令和7年12月31日までの間に自己の居住の用に供したときは、一定の要件の下、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除(住宅借入金等特別控除)することができます。この特例は、以下のとおり、住宅等の区分および居住年に応じて、借入限度額や控除期間が異なります。

※以下の表は住宅を新築等した場合の借入限度額、控除期間等となります。
(注)一般の新築住宅のうち、令和5年12月31日までの建築確認を受けたものまたは令和6年6月30日までに建築されたものは、借入限度額を2,000万円として10年間の控除が受けられます。ただし、特例居住用家屋に該当する場合は、令和5年12月31日までに建築確認を受けたものが対象となります。

(2)対象者
住宅ローン等を利用してマイホームの新築等をした方

(3)控除額
一般の新築住宅の場合の控除額は以下の通りです(認定住宅等については省略します。)
令和4年分・5年分:
年末借入金残高×0.7%(控除限度額21万円、控除期間13年)
※借入金残高が3,000万円の場合、3,000万円×0.7%=21万円
令和6年・令和7年:
年末借入金残高×0.7%(控除限度額14万円、控除期間10年))
※借入金残高が2,000万円の場合、2,000万円×0.7%=14万円

(4)控除の適用を受けるための要件
個人が住宅を新築等した場合で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次の要件を満たすときです。
【共通の適用要件】
次のすべての要件を満たす必要があります。
① 住宅の新築等の日から6か月以内に居住の用に供していること。
② この特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住の用に供していること。
(注)個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。
③ 次の(A)または(B)のいずれかに該当すること。
(A) 下記(B)以外の場合
イ 住宅の床面積(注1)が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。
ロ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、2,000万円以下であること。
(B) 特例居住用家屋または特例認定住宅等の場合
イ 住宅の床面積(注1)が40平方メートル以上50平方メートル未満であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。
ロ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、1,000万円以下であること。
④ 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金または債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること(注2)。
⑤ 2以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。
⑥ 居住年およびその前2年の計3年間に次に掲げる譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。

・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3①)
・居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35①)
(注)被相続人の居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35③)により適用する場合を除きます。
・特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2)
・財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の5)
・既存市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(措法37の5)
⑦ 居住年の翌年以後3年以内に居住した住宅(住宅の敷地を含みます。)以外の一定の資産を譲渡し、当該譲渡について上記6に掲げる譲渡所得の課税の特例を受けていないこと。
(注)一定の資産を譲渡したことにより上記⑥に掲げるいずれかの特例の適用を受ける場合において、その資産を譲渡した年の前3年分の所得税について住宅借入金等特別控除を受けているときは、当該譲渡をした日の属する年分の所得税の確定申告期限までにその前3年分の所得税について修正申告書または期限後申告書を提出し、かつ、当該確定申告期限までに当該修正申告書または期限後申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならないこととされています。
⑧ 住宅の取得(その敷地の用に要する土地等の取得を含みます。)は、その取得時および取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者からの取得でないこと。
⑨ 贈与による住宅の取得でないこと。
(注1)床面積の判断基準は、次のとおりです。
・床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
・マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
・店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
・夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断します。
(注2)一定の借入金または債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子または0.2パーセントに満たない利率による借入金はこの特別控除の対象となる借入金には該当しません。また、親族や知人からの借入金はすべて、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。

【居住年が令和6年または令和7年であり、かつ、一般の新築住宅である場合の適用要件】
居住年が令和6年または令和7年である場合の一般の新築住宅については、以下の適用要件を満たす必要があります。

① ②以外の一般の新築住宅(床面積が50平方メートル以上)
次のいずれかを満たすこと。
イ 令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること。
ロ 令和6年6月30日までに建築されたものであること。

② 特例居住用家屋に該当するもの(床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満)
令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること。


一般の新築住宅についての住宅借入金等特別控除の概要は以上の通りです。居住開始年が令和6年分または令和7年分に、一般の新築住宅についての住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合には、令和5年12月31日までに建築確認を受けているものであること、または、令和6年6月30日までに建築されたものであることの要件をみたす必要があります。これをみたさない場合には、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができなくなってしまいます。
 また、上記(4)⑥、⑦にあるように、居住年およびその前後に譲渡所得の課税の特例の適用を受けた(受ける)場合には住宅借入金等特別控除の適用を受けることができなくなってしまいます。譲渡所得の課税の特例と住宅借入金等特別控除、いずれが有利になるのか(減税額が多くなるか)よく検討の上、適用を判断することが必要です。

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