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掲載日:2024.08.30
国税庁HPに「相続税及び贈与税等に関する質疑応答事例」が公表されました。
 国税庁HPに「相続税及び贈与税等に関する質疑応答事例」が公表されました。
 その中から、相続時精算課税選択届出書を単独で提出した後に贈与税の期限後申告書を提出する場合の相続時精算課税の適用の可否についてご紹介します。

(問)
子Xは、令和6年に父である甲から株式Aの贈与を受け、贈与税の申告書の提出期間内に相続時精算課税選択届出書を提出した。
(注) Xは株式Aの価額を100 万円(相続時精算課税に係る基礎控除の額以下)と認識していたため、令
和6年分の贈与税の申告書は提出していない。
その後、株式Aの価額について評価誤り(正当額:500 万円)が判明したため、贈与税の期限後申告書を提出することとなった。この場合、相続時精算課税を適用して贈与税額を計算できるか。
(答)
相続時精算課税を適用して贈与税額を計算することとなる。 ただし、株式Aについて贈与税の期限内申告書の提出がなかったため、相続時精算課税の特別控除は適用されない。
令和6年分の贈与税額は以下の通り。
(株式Aの価額500万円-相続時精算課税に係る基礎控除110万円-相続時精算課税の特別控除0円)×20%=78万円

(解説)
① 令和6年1月1日以後の贈与により取得した財産について相続時精算課税を選択する場合において、当該贈与に係る贈与税の申告書の提出を要しないとき(相続時精算課税に係る贈与により取得した財産の価額が相続時精算課税に係る基礎控除の額以下であるとき)は、贈与税の申告書を提出しない旨を記載した相続時精算課税選択届出書を単独で提出しなければなりません。
 →本問では、子Xが贈与税の申告書の提出期間内に相続時精算課税選択届出書を提出していますので、相続時精算課税が適用されます。
② 相続時精算課税に係る特別控除(最高 2,500万円)は、特別控除を受ける金額その他必要事項の記載がある贈与税の申告書が期限内に提出された場合に限り適用され、期限後に提出された場合には適用されません。
 →本問では、子Xが贈与税の申告書を提出期間内に提出していないため、相続時精算課税の特別控除額は適用されません(特別控除額0円)。


なお、その他の質疑応答事例につきましては、国税庁HPをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/pdf/0024006-159.pdf

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